Yamaha Design “Synapses” Radius2

2014 / UPRIGHT PIANO


アップライト型の新たな一面を見せるピアノ。

ジョウヒン上品 / Elegance

鍵盤蓋の大きな曲面はピアニストの想いを優しさと寛容さを持って受け止め、自由で心のままの演奏へと誘います。柔らかな曲面と相対するシャープな平面は程よい緊張感を、お互いにその存在を引き立たせあっています。

カンケツ簡潔 / Minimal

装飾的な要素を極力減らしたモダンなルックスのなかにも猫脚の雰囲気を残すなど、新しいだけでなくアップライトピアノらしさも意識し各パーツや形状を再解釈しました。

シアゲ仕上げ / Well-Made

多くの異なる厚みや大きさの板材で構成されるアップライトピアノにおいて、大きな曲面を各所に作り出すことは難しい事ですが、新しい製法への挑戦やそれぞれの部材の仕上げを工夫することによって実現しました。

ヒキゴコチ弾き心地 / Inspiring

ピアニストの自由な表現やエモーションを受け止めてくれるような寛容さは、通常より横幅の広い譜面受にも表現されています。ピアニストは伸びやかな気持ちで安心して演奏に向かえます。


Sunao Okamura
Sunao Okamura
Designer
Yamaha Design Laboratory

Kao Nimura
Kao Nimura
Designer
Yamaha Design Laboratory

視点を変えれば、ピアノはもっと進化する。

「Radius121EX」は中国市場向けアップライトピアノRadiusシリーズの2世代目になります。高い木工技術や細部までの手作りを可能とする中国国内生産の優位性を表現できる特徴的なモデルです。
これまでのピアノの歴史に敬意を表しつつも、従来のクラシカルな雰囲気から少し離れて、ピアニストからの視点や印象も考えながら、各パーツや形状の再解釈をする。そうすることで、新しい印象のアップライトピアノを作る、というのがRadiusの基本コンセプトです。Radius121EXでは、そのコンセプトを踏襲しながらも、大小様々な曲面を大胆に取り入れ、さらにモダンなデザインを目指しました。ピアニストが緊張感を持ちつつも、伸びやかな気持ちで向かうことができ、自由に表現を駆使できる、おおらかな受け皿のようなピアノ。特に印象深くしたかったのは、鍵盤周りの曲面でした。鍵盤蓋、そしてピアニストの真正面にある上前板からピアノ本体の側面を形作る親板とのつなぎ目を大きな曲線ですっきり見せるという、技術的にも難しい表現に挑戦しました。この優しい曲線により、鍵盤の前に座ると両端のラインがすっと消えていくように見え、ピアノが“箱”ではなく、安心感を与えるひとつの“塊”として感じられるのではないかと思います。アップライトピアノとしての範疇からはみ出すことなく、極力シンプルにしたデザインは、ともすると普通に見えてしまうきらいもあるのですが、そうならないよう丁寧に作り込みました。
Radius121EXをきっかけに、アップライトピアノの印象に新たな一面を加えられれば嬉しいです。

  • 補足の写真1
  • 補足の写真2

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