Yamaha Design “Synapses” NPAS/NPTS

2013 / ACCESSORY


サックスのネックとマウスピースを収納できる立体形状のポーチ。

ショウジキ正直 / Honest

ネックとマウスピースをサックスのベルに収納して持ち運ぶ際、それぞれが傷つかないように厚手のウェットスーツ素材で作られたポーチ。内側に抗菌布を使うなどの機能性を高めながら、外観はサックスのベル形状に最もフィットする立体的な円錐状としました。

ヒキゴコチ弾き心地 / Inspiring

演奏の前にサックスを組み立てること。それは音楽に感覚を集中させるための、ある種の儀式です。ポーチの紐を緩め暗い中から金色のネックを取り出すとき、演奏への期待は膨らみ、気持ちが高揚することでしょう。

チョウワ調和 / Harmony

持ち運びに便利なソフトケースやコンパクトなサックスケースなどにはネックとマウスピースを収納するスペースがないため、通常、ポーチや布に包んでベルに入れます。NPAS/NPTSはサックスのベルの形に合わせ立体的にデザインしたため、空間的に異物感なく、また見栄えも控えめに収まります。

ツカイゴコチ使い心地 / Intuitive

ポーチをベルにしまう際、スムーズにベルに挿入させるためねじることがあります。そんな仕草に合わせ、ポーチの側面を斜めにねじれた立体形状に縫製しました。斜めのパターン1つ1つを繋ぎ合わせる青いパイピングは、型崩れを防ぐと同時に「ねじる」ことを直感的にイメージさせます。


Jose González
Jose González
Designer
Yamaha Design Laboratory

3次元の発想から生まれた「ねじる」の可視化。

サックスをケースに収納する際は、ネックとマウスピースを外します。ケースには通常ネックやマウスピースを収納するスペースが設けられていますが、軽くて持ち運びに便利なソフトケースやトラベル用のコンパクトなケースでは収納スペースに余裕がないため、ネックやマウスピースをポーチや布などにくるんでサックスのベルに入れることが多いようです。これまでに市販されているポーチやケースを見てみると、サックスのベルが円錐形であるにもかかわらず、ほとんどのものが平面的でした。平らなポーチにネックやマウスピースを収納し、それを丸めてベルに入れていたのです。ここにはまだ改良の余地がある! 3次元的な発想をすれば、今までより使いやすいポーチができるはずだ。それがアイディアの出発点でした。
まずネックとマウスピースを置いてみて、どういう形状が最も合理的かを3次元的に考えていきました。そして、最初に「ねじる」という行為が直感的にわかるような、四角い底面と上面が45度にねじれた角度のモックアップを手作りしました。しかし、4つの複雑にねじれた面がベルにしっかりとフィットするものではなかったので、検討と試作を重ね、最終的にたった3つのねじれた面だけで円錐形を作り出す形を導き出しました。また、ネックとマウスピースをしっかりと保護できるウェットスーツ素材を、型崩れ防止と落下しても弾力で中身が守れる丈夫なパイピングで繋ぎ合わせ、そのパイピングを青色にすることで「ねじって入れる」ことを想起させるアクセントとしました。

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  • 補足の写真2
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  • 補足の写真4

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