Yamaha Design “Synapses” YM-6100

2008 / MARIMBA


安倍圭子氏の協力のもと、40年の開発の集大成。マリンバのフラッグシップモデル。

カンケツ簡潔 / Minimal

外見を整えるための飾りパイプを排除し、低音部のレゾナンス・レギュレーターを調整しやすいよう外向きに配置。音楽を中心に考えるという信念によって研ぎ澄まされたシルエット。

ヒクスガタ弾く姿 / Dual-View

漆黒の脚部に支えられ、まるで宙に浮いているように見える白い枠。立体感を強調したゴールドの共鳴パイプ。それらはオーケストラと共演しても埋もれることのない存在感を放ちます。

ヒキゴコチ弾き心地 / Inspiring

左右から音板を支持する長枠を、えぐるようにカット。プレイヤーの目の前に音板だけが広がっているような開放感の中で、演奏に集中しやすい環境を実現しています。

タノモシイ頼もしい / Professional

プレイヤーが気持ちを預けられる堅牢かつ強固で、高い信頼性の構造体でありながら、簡単に分解・組み立てが行える可搬性を両立。


Kazuhito Nakajima
Kazuhito Nakajima
Designer
Yamaha Design Laboratory

デザインの方向性が明確になった、トップアーティストの一言。

マリンバの世界的権威である安倍圭子先生とヤマハは、約40年にわたって共同開発を行ってきました。YM-6100はその集大成ともいう新たな頂点モデルであり、開発のプロセスにおいて、安倍先生と何度も突っ込んだ会話をさせていただくことができました。世界的なトップアーティストと直接対話しながらプロダクトデザインが行えることは幸運なことであり、密度の濃いクリエイティブなコミュニケーションから、非常に多くのものを得ることができたと思っています。
安倍先生とのやりとりの中で特に印象に残ったのは、「私の音楽は現代音楽なのよ」という言葉でした。初期の試作段階では観客側の共鳴パイプの配列を整える飾りパイプが装着されているなど、外見の美しさを優先したデザインでした。しかし安倍先生は、機能的かつ合理性をもったデザインを志向することで曖昧さを排除し、デザインの本質を自らの音楽表現に重ね合わせたのです。その姿勢の核心が前述の言葉に込められていることに気付きました。
そこに投影されていたのは、マリンバの音楽の地平を拡げていく革新性であり、既成概念を乗り越えて音楽に真っ直ぐ向う真摯な姿勢だと私たちは感じました。その言葉がキーになり、私たちのデザインコンセプトは細部まで明瞭になっていきました。最終形では観客側の共鳴パイプの外見を整える飾りパイプをやめ、通常見えない場所に隠すレゾナンス・レギュレーターも、敢えて操作しやすい前面へと配置しました。アーティストとプロダクトデザイナーというクリエイター同士がインスパイアしあい、響きあいながら、プロための新たな楽器を生み出すことができたことを嬉しく思っています。

  • 補足の画像1
  • 補足の画像2

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