Yamaha Design “Synapses” PSR-E323/E223

2009 / ELECTRONIC KEYBOARD


ビギナーから直感的に扱えるインターフェースの、シンプルな電子キーボード。

カンケツ簡潔 / Minimal

すべての人が「音楽を奏でる楽しみ」を味わえる親しみやすさ、そして楽器しての奥深さ。それらをシンプルなフォルムに凝縮しています。

ショウジキ正直 / Honest

ボディは左右両端を丸く落とすことでスリムさを表現しながら、パネル面が浮き上がるような効果も演出。自然と中央の操作パネルへ視線を誘います。

スグツカエルすぐ使える / Instantly-usable

積み木や和菓子をイメージした、カラフルでつい触れてみたくなるパネルスイッチ。最小のステップで、多彩な機能が楽しめます。

ツカイゴコチ使い心地 / Intuitive

豊富な機能を直感的に使いこなせるように、パネルを機能別に9つにゾーニング。演奏しながら左手で伴奏の再生ができるように左前面にスイッチを配置するなど、使われ方からレイアウトしました。


Toshihide Suzuki
Toshihide Suzuki
Designer
Yamaha Design Laboratory

「使いやすさ」をデザインする、ということ。

PSR-E323 / E223は、初めての方でも弾く楽しみや歓びが味わえる電子キーボード。多彩な音色や伴奏、レッスン機能などを搭載しながらも、演奏が気軽に楽しめるように、特にインターフェースに力を入れました。そのために、まずに既存のキーボードをじっくりと使い、ユーザーの立場で操作を検証してみました。そこで気づいたのは、初心者から見るとスイッチの配置などが、必ずしも直感的な操作に適していないのではないか。機能的ではあっても、人を惹きつける魅力が足りないのではないか、という事でした。 まず、視認性に優れ、操作の流れがスムーズなインターフェースを検討しました。答えの一つが、ヤマハキーボードに共通する顔である中央縦型の画面部分に横方向の色分け/分割したエリアを加え、クロスの形にゾーンを設定したことです。そしてゾーンに「音色や曲の選択」「伴奏の再生」「レッスン機能」など目的別に切り分けた要素を使いやすく配置しました。例えば、左・手前の伴奏の再生/停止ボタンは、右手でメロディを弾きながら左手で操作できるように配置。また右側は音色や曲を選択するエリアとし、スイッチのすぐ上に音色や伴奏のリストを配置することで、視線の動きが最小限になるように抑えています。
並行して、ボタン一つ一つのデザインも検討しました。たとえば積み木のようなシンプルな形状。小さな正方形の和菓子、求肥(ぎゅうひ)のようなイメージ。これらをデザインに取り入れることで、誰もが「つい触りたくなる」ような可愛らしさを表現。指が触れる面を曲面とし、押し心地も重視するなど、ディテールにもこだわりました。
外観だけでなく、誰もが楽しく操作できるように「使いやすさ」をデザインすること。それもプロダクトデザインの大切なポイントと考えています。

  • 補足の写真1
  • 補足の写真2
  • 補足の写真3
  • 補足の写真4