Yamaha Design “Synapses” AvantGrand

2009 / HYBRID PIANO

GOOD DESIGN AWARD※N2、N3として2009年に受賞


グランドピアノのアクション機構と、
最先端のデジタル音源技術が融合したハイブリッドピアノ。

ミナオス見直す / Reconstruction

グランドピアノの本質を見つめ直し、「伝統」と「最先端」の技術をハイブリッド。次世代の新たなグランドピアノを原点から追求しました。

ショウジキ正直 / Honest

グランドピアノの音を4点でサンプリングし、それと相対する位置に管楽器ノベルのように仕上げられたスピーカーを配置、機能美を意図的に「見せること」がアイデンティティです。

ジョウヒン上品 / Elegance

グランドピアノの象徴でもある大屋根は少し手前に向いて開くことで、ピアニストにクリアな音を届け、また演奏への集中力も高めます。

カンケツ簡潔 / Minimal

グランドピアノの演奏性、気品を継承したミニマルなグランドピアノを目指して、あたかも壁の中へ本体が続くような余韻をサイドカーブで表現。そうして実現したコンパクトさが、周りの空間を豊かにします。

ツカイゴコチ使い心地 / Intuitive

操作パネルは必要十分な最小のサイズに。引き出し式の機構により操作時以外は本体に収納され、演奏への集中度を高めます。

ヒキゴコチ弾き心地 / Inspiring

グランドピアノの鍵盤アクションを使用し、指先に伝わる鍵盤の振動から、鍵盤や指の映り込みなどの仕上げまで配慮。ピアニストが触れるもの、見えるもの、全てがグランドピアノです。


Masaharu Ono
Masaharu Ono
Designer
Yamaha Design Laboratory

Kao Nimura
Kao Nimura
Designer
Yamaha Design Laboratory

継承するべきもの、変えてゆくもの。

「楽器の王様」と称されるグランドピアノは、1700年頃にその原型が作られて以来、鍵盤の数や鍵盤アクション機構、金属製フレームの採用など様々な点で改良を重ね、現在の形へと熟成を重ねてきました。AvantGrandは、長年のピアノ作りで培った「匠の技」と「最先端の電子技術」をハイブリッド=融合することで、さらなる先進性を実現した『次世代の新しいグランドピアノ』です。
デザインで最も重要だったのは「グランドピアノの何を継承し、何を変えてゆくべきか」を徹底的に吟味することでした。
変えるべきでないもの。それは弾き手が「グランドピアノを弾いている」という感覚をもたらす、あらゆる要素です。タッチ感だけでなく、触覚、視覚など感性の領域までを含めたインターフェースの全てに及びます。鍵盤アクションの機構はもちろん、たとえば鍵盤や本体を伝わって奏者に伝わる共振。さらに鍵盤蓋への鍵盤と奏者の指の映り込み。また演奏前に大屋根を開ける、というグランドピアノ独特の「儀式」といえる所作もインターフェースの一部と考え、大屋根を継承しています。
一方、勇気を持って変えた点。たとえばフォルムだけの摸倣となりがちな優美なS字型のボディを排し、電子音源を持つメリットを生かしたコンパクトネスを志向。特にN2はグランドピアノの気品と弾き心地を損なうことなく、最小の設置面積を実現しています。またN3では、大屋根の下、美しい木目のキャビネットにマウントされた4つのスピーカーを、あえて正直に「見せる」デザインに。あたかも管楽器のベルのように美しく仕上げられています。一見斬新なアプローチですが、目指したのは新奇性ではありませんでした。それは「発音構造を隠さず素直に、しかも美しく見せる」という、グランドピアノの「機能美」の方法論を純粋に継承した結果なのです。

  • 補足の画像1
  • 補足の画像2
  • 補足の画像3
  • 補足の画像4