アドバンスドデザイン
グループ マネージャー
勝又 良宏

デザインとは「形」だけでなく
「ビジョン」を与えるもの。

勝又 良宏

プロフィール

1993年入社。主に電子楽器やAV機器などを担当。「Disklavier Pro 2000」「MusicCAST」「MODUS」などを手掛ける。その後アドバンスド・プロジェクトの経験を経て2005年渡英、デザイン・スタジオ・ロンドンを立ち上げる。2008年帰国し現在、アドバンスドデザイングループ マネージャー。

中学生の時に見た、KATANAの衝撃

父親が工業デザイナーだったので、わりと早い頃からデザイナーを意識していました。父の仕事柄、家にデザイン雑誌や図面があったので、子どもの頃からそれらを絵本代わりに見たりしていて、なんとなくデザインってカッコいいなと思ってました。その後はっきりとデザイナーという仕事を意識するのは中学の頃。それにはキッカケがあって、近くの駐車場にKATANAというとても斬新なデザインのバイクが停まっていたんです。今でもその光景を良く覚えています。独特のフォルムのKATANAが夕日を浴びて輝いていて、見慣れた駐車場の風景が一変して何か特別な場所のように見えました。それがもの凄く衝撃的だったんです。そして同時にその衝撃を産み出すことがデザインの仕事なのだ、と中学生なりに理解しました。その後、自分もそんな送り手になってみたいと思い、工業デザイナーに対するあこがれを深めていきました。

テクノロジーとクラフトの融合を夢見て

工業デザイナーになるための勉強をするに従って、自然と美術の方面にも興味が広がっていきました。KATANAで受けた衝撃の核心は、美術や工芸、現代アートにこそあるのではないかと考えたのです。そんなわけで大学生の頃は工業デザインを志向しながら、片足は現代アートに突っ込んでるような状況でした。例えば当時美術家をめざす人たちといっしょに作ったのは「放つ」というタイトルのインスタレーション。それは机に電気の力で自動的に動く脚を取り付けた「歩く机」を3台つくり、1つの部屋でずっと動かし続ける、といったものでした。そのような試みにも夢中になりましたが、それでも最終的に「やっぱり工業デザインが面白い」と思ったのは、大学の先輩でヤマハデザイン研究所に入った田中聡一郎さんの卒業制作に感銘を受けたからです。それはハイテクノロジーとクラフトの融合を志向した新しい楽器でした。伝統と革新の連鎖。表現のための「道具」ならではのぬくもり。僕がやりたいのは、まさにこれだと。その卒業制作を見て「自分も楽器をデザインしたい」と思うようになりました。