アドバンスドデザイン
グループ マネージャー
勝又 良宏
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いつだって、カタチに興味がある

休日の趣味といっても、僕の場合はやっぱりデザインの周辺なんです。僕はよくよく「カタチ」が好きな人間で、家でデザイン模型みたいなものを作るのが趣味といえば趣味でしょうか。でも工作はどっちかというと下手で、作るのが好きなわけじゃないんですよ。面白いカタチを発見したり、カタチのアイディアを考えたりするのが好きなんです。「面白いな」と思ったカタチのアイディアやスケッチをノートにいっぱい書き溜めていて、ノートは年に一冊ぐらいのペース。いま10冊ぐらいになっています。中にはスケッチでだけではよくわからないものがあって、そんな時に実際に作ってみるんです。たとえば張り子のトラを見て「止まっているときはそうでもないのに、どうして動くと途端にかわいいのだろう」と考えてみる。こんな場合はスケッチだけではわからないので、実際に手もとにある材料で簡単に作って動きだけを抽出してみるんです。例えばこれなんかも面白いですよ、ショットグラスぐらいの量しか入らない升。これも作ってみました(笑)。一見ソリッドな塊にも見えるため、見た人は「二度見」してしまいます。モノを最もシンプルなカタチにまで還元して、要素を抽出してみる、それが僕の趣味というか、癖みたいなものですね。「カタチ研」の活動もしていて、最近では大学でレクチャーやワークショップをやったりしています。ここでも「デザインの考え方を考える」といったテーマが多くて、たとえば同じユニットが繰り返されているものを見つけて、それを一つだけに抽出してみる。一段しかないハシゴとか、ジングルが一つだけのタンバリンとかね。
楽器も少しだけやります(笑)。ヤマハにいるんだから楽器ぐらいできなきゃいけないかな、ベースなら弦が4本だけだから、簡単だろうとか、そういう不純な動機。あとはエレピ。ちょこっとだけ弾くのが楽しいんです。曲のコピーはしないんですよ、コピーが嫌いなんです。だから上手くならない(笑)。よくやっているのは思いついたフレーズを延々と弾く、みたいなことです。

カタチにはかならず意志があるはず

デザインとは? ちょっと難しい質問ですね。僕にとっては何でもデザインなんですよ。料理するのもデザインだし、明日の予定を考えるのも明日のデザインだし。好きなコトバは「意志あるところに道あり」。人が作ったモノのカタチってのはそうそう無駄にそういうカタチをしていることはなくて、たいてい意志が込められているはずなんです。よく観察してそこに隠された意志を見いだすことに喜びを感じます。だから自分もそんな喜びを与えたくて、何かのデザインをしている時、この言葉がかならず僕の意識に上がってきます。