BGP経路強制広告機能

概要

BGP経路強制広告機能では、特定のAS番号のルーターに対して広告したい経路をbgp force-to-advertiseコマンドで設定すると、設定した経路がルーティングテーブルに存在しない場合でもBGPで経路を強制的に広告することができます。

制限事項

BGP経路強制広告機能には、以下の制限があります。

  • 強制広告する経路は、ルーティングテーブルには反映されません。
  • 強制広告する経路は、bgp importコマンドの設定にかかわらず広告されます。
  • 強制広告する経路と、bgp aggregateコマンドによって集約された経路が同一の場合、強制広告する経路が優先されます。
  • 強制広告する経路と同じ宛先ネットワークへの経路がルーティングテーブルに存在する場合、強制広告する経路のみが広告されます。
    そのため、強制広告する経路と同じ宛先ネットワークへの経路が追加・削除されても、その差分は本機能で指定しているAS番号のルーターには広告されません。本機能で指定していないAS番号のルーターには広告されます。
  • 強制広告する経路は、BGP機能で運用可能な最大経路数に含まれます。
  • 経路が強制広告されるのは、BGPルーター間のTCPコネクションが確立した後の1回目のUPDATEメッセージのときのみです。
    エラーやキープアライブで閉じられたコネクションが再度確立したときも、その後の1回目のUPDATEメッセージで本機能により設定された経路が広告されます。

本機能で強制広告する経路のパス属性は以下の通りです。

  • Origin:INCOMPLETE
  • AS-PATH:自身のAS番号
  • NEXT-HOP:neighborと接続しているルーターのローカルアドレス

対象機種とリビジョン

ヤマハルーターでは以下の機種およびファームウェアで、BGP経路強制広告機能をサポートしています。

機種 ファームウェア
RTX5000 Rev.14.00.18以降
RTX820 Rev.11.03.23以降

コマンド

BGP で強制的に経路を広告する

[書式]
bgp force-to-advertise REMOTE_AS IP-ADDRESS/NETMASK [PARAMETER ...]
no bgp force-to-advertise REMOTE_AS IP-ADDRESS/NETMASK [PARAMETER ...]
[設定値及び初期値]
  • REMOTE_AS
    • [設定値]:相手の AS 番号 (1..65535)
    • [初期値]:-
  • IP-ADDRESS/NETMASK
    • [設定値]:強制的に広告したい経路のネットワークアドレスとネットマスク長、または'default'
    • [初期値]:-
  • PARAMETER
    • [設定値]:TYPE=VALUE の組
      TYPE VALUE 説明
      metric 1..16777215 MED(Multi-Exit Discriminator)で通知するメトリック値
      preference 0..255 同じ経路を複数の相手から受信したときに、一方を選択するための優先度
    • [初期値]:preference=100
[説明]

本コマンドで設定した経路がルーティングテーブルに存在しない場合でも、指定されたAS番号のルーターに対してBGPで経路を強制的に広告する。経路として'default'を指定した場合にはデフォルト経路が広告される。設定したコマンドはbgp configure refreshコマンドを実行したときに有効になる。

設定例

構成

 192.168.10.0/24                                                               192.168.20.0/24
+-------------------------------------------+                                 +----------------+
| AS 65001                                  |                                 | AS 65002       |
|    +-----+192.168.10.2                    |                                 |                |
|    | RT2 |-------------+                  |                                 |                |
|    +-----+LOOPBACK:    |              LAN1|                                 |                |
|             10.0.0.2   |                  |                                 |                |
|                        |   192.168.10.1+-----+172.16.1.1       172.16.1.2+-----+             |
|                   IBGP +---------------| RT1 |---------------------------| RT4 |             |
|                        |   LOOPBACK:   +-----+LAN2        EBGP           +-----+             |
|    +-----+192.168.10.3 |     10.0.0.1     |                                 |                |
|    | RT3 |-------------+                  |                                 |                |
|    +-----+LOOPBACK:                       |                                 |                |
|             10.0.0.3                      |                                 |                |
+-------------------------------------------+                                 +----------------+

65001番のASと65002番のASがEBGPで接続されています。
65001番のAS内では各ルーターがIBGPで接続されています。

設定

  • RT1が65001番のASに対して 1.1.1.0/24 宛の経路情報を広告します
  • RT1が65002番のASに対して 2.2.2.0/24 宛の経路情報を広告します
[経路設定]
ip route 10.0.0.2 gateway 192.168.10.2
ip route 10.0.0.3 gateway 192.168.10.3

[IPアドレス設定]
ip lan1 address 192.168.10.1/24
ip lan2 address 172.16.1.1/24
ip loopback1 address 10.0.0.1/32

[BGP設定]
bgp use on
bgp autonomous-system 65001
bgp neighbor 1 65002 172.16.1.2
bgp neighbor 2 65001 10.0.0.2 local-address=10.0.0.1  
bgp neighbor 3 65001 10.0.0.3 local-address=10.0.0.1  
bgp import filter 1 include 0.0.0.0/0
bgp import 65001 static filter 1
bgp import 65002 static filter 1
bgp force-to-advertise 65001 1.1.1.0/24
bgp force-to-advertise 65002 2.2.2.0/24

関連技術資料

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