QoSの設定方法

QoS機能を効果的に利用するためには使用しているサービスについてどのような特徴があるのかを理解する必要があります。
企業内で利用されている通信は、サービスにより大まかに以下のように分類でき、それぞれネットワークに求める条件が異なります。

リアルタイム系サービス

アプリケーション IP電話、TV会議システム、動画配信
特徴 データ量一定(使用数によって一定量増加)
ネットワークへの要求 低遅延、パケットロス小、低ジッタ

基幹系サービス(ホスト系通信)

アプリケーション 発注・売り上げ・生産管理などの基幹業務
特点 データ量小
ネットワークへの要求 パケットロス小

データ系サービス

アプリケーション WWWアクセス、ファイル転送
特徴 データ量大、バースト性あり、遅延・ジッタによる影響小、パケットロスに対して強力な再送機能あり
ネットワークへの要求 高帯域の確保

QoS機能を使用する場合これらの特徴を考慮し、また企業における各サービスの重要度を加味しどのサービスを優先させていくかを決定します。

一般に企業内活動において重要とされるものは、

  • 基幹系サービス
  • リアルタイム系サービス
  • データ系サービス

の順番だと考えられています。

ここでリアル系サービスについてはIP電話の導入が進んでいる企業にとってはより重要度が増し、基幹系サービスと同じ位置づけになるかもしれません。

大切な事はそれぞれの使用環境においてどのサービスを優先させるかのポリシーを明確にすることです。

ポリシーについては企業によって求める条件が大きく異なるため一概に述べることはできませんが、以下に検討・考慮を必要とする基本的な項目について示します。

1.シェーピング速度の決定

IP-VPN、広域イーサネットサービスなど契約で明確になっている場合は問題ありませんが、FTTH等ベストエフォート回線を使用している場合にはシェーピング速度を決定する必要があります。
決定にあたり以下の項目について検討します。

  • 企業活動において最低限必要とする帯域の見積り
  • 実際の回線速度を測定(時間、曜日を分けて数回程度)、その後、安定して使用可能な帯域の見積り
  • 必要とする帯域と使用可能な帯域の差についての検討
    • "必要とする帯域<使用可能な帯域"の場合、帯域に余裕があります。
      シェーピング速度は"必要とする帯域+α"で決定します。
    • "必要とする帯域>使用可能な帯域"の場合、帯域が不足しています。
      回線の増強、各サービスに割り当てる帯域の縮小が必要です。
  • 定期的に実際の回線速度を測定を実施し状況に変化がないか確認

2.通信サービス毎に優先度および必要な帯域の見積り

実際の使用状況、サービスの重要度、サービスに必要な帯域を検討します。

  • 通信サービス毎にそのサービスの重要度と必要な帯域の見積もり
  • ネットワーク上に流れているトラフィックを測定、使用状況の確認
  • 実使用状況から帯域を制限した場合に発生する問題について検討

といった項目を検討します。

3.制御方法の選択

優先したいサービスの要求、全体の使用状況によりどの制御方法を選択するか検討します。
以下は一般的な判断基準です。個々の状況にあわせ判断が必要です。

  • 優先したいサービスが必要とする帯域が小さい場合
    → 優先制御を選択
  • 優先したいサービスの使用条件が厳しく、遅延、パケットロス等が許されない場合
    → 優先制御を選択
  • 優先したいサービスが必要とする帯域が大きい、または変動が激しい場合で、
    他のサービスで必要な帯域が確保できない場合
    → 帯域制御、Dynamic Traffic Controlを選択
  • 複数のサービスの優先度が同等で、かつ必要とする帯域が大きい場合
    → 帯域制御、Dynamic Traffic Controlを選択

4.QoS機能の設定追加、サービスの開始

5.運用管理、監視

運用を開始した後も使用状況を常に確認するようにし状況に応じてQoS設定を変更します。
通信状況は常に変化しますので方針を固定しないで状況にあわせて変更していくことが重要です。

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