Outdoor Tool Design
2023

ヤマハ、ヤマハ発動機の在アメリカデザイナーによる共同研究。

プロジェクト概要

ヤマハ・ヤマハ発動機のデザイナーが、アウトドアツールのデザインに挑戦しました。バイクで自然の風を感じならキャンプ地へ向かい、夜には焚火のそばでギターを奏でては自然の中に身を置くことの心地よさを感じる。ヤマハ製品はアウトドアにおいても人々の豊かな時間に貢献しています。そんな両ヤマハが独自の視点から、アウトドアの時間をより楽しめる新しいアウトドアツールを提案しました。
キーワードは「火と戯れる」。「火」は調理のためや暖をとるためなどアウトドアにおいてもっとも欠かせない要素の一つです。この火をモビリティーや楽器のように、意のままに操る感覚や、それ自身を楽しむ感覚など、ヤマハらしい心高まる道具を4つ考えました。

作品紹介

Bon-Burner

焚火の薪の組み方をモチーフにしたシングルバーナーの新しい形です。5本の細長いバーはスタンドとして、またクッカー(鍋とかフライパンとか)を保持する五徳としても機能します。5本のバーを畳むことでコンパクトな円筒形状に収めることができ、持ち運びが容易です。また中央のリング部にあるスティック形状のつまみを回すことで、ガス量を調節し、火力を変えることが可能です。このツールは食材が温まるのを待つ間、焚火を眺めるように見て楽しむことができます。

Bon-Player

火力調整という何気ない一つの工程を、心が躍る時間に変える。そんなヤマハらしい遊び心が生んだ、ユニークなガスストーブです。本体のトップ面の大きなディスクを回すことで火の範囲をダイナミック且つ繊細にコントロールでき、またディスクを押し下げることで火力を増大させることができます。
ディスクを回すほどに中心から広がる炎は操る人の高揚感を高め、どこかスロットルとエンジン音の関係のようでもあります。ディスクを押し下げるほどに力を増す炎も、踏むことでスピードをコントロールするアクセルペダルの作法を感じさせます。
これまでのガスストーブとは一線を画す操作感のあるインターフェイスです。

Bon-Grill

様々な焼き目を楽しむカセットコンロの提案。食事において器が料理の彩を引き立てるように、キャンプにおいても器の代わりに焼き目で料理の彩を飾ることができます。ステーキについた網目状の焼き跡が一層お肉を美味しく感じさせる様に、食材に応じて焼き目のパターンを変えることで、調理する楽しさが一層増します。まるでレコードジャケットからお気に入りの一枚を選び、音楽を楽しむかのように、色とりどりなパターンの網目ジャケットから一枚選び、カセットコンロにセット。彩られた焼き目模様がキャンプの食事をより華やかに演出するでしょう。

Bon-Flame

アウトドアの暖房器具、ヒーターアタッチメントの新しい形。シングルバーナーの炎を遠赤外線の熱に変換し身を温める道具で、熱を放出する金属板が熱で赤く発光することにより、視覚的にも安らぎ効果を与えます。二枚の金属が貼り合わされたバイメタルのシートは、異なる金属の膨張率の違いを利用することで、熱により形が変化します。先端の小さなボール形状のバイメタルは熱せられることで、それぞれの金属シートが回転しながら花のように開き、最終的には大きな炎の形へと変化します。
暖を取るためのヒーターアタッチメントを火の形として美しく見せることで、視覚的にもより安らぎを与えます。