2024年3月期第2四半期 決算説明会 質疑応答

Q1:売上以上に事業利益の減益幅が大きいですが、減産の影響について教えてください。

大幅な減産により工場損益が悪化しています。人工を減らすのに一定の時間を要しますが、上期中に様々な手を打っており、下期に向けて減産による利益減の影響は低下していきます。


Q2:1Q末比で2Q末棚卸資産が増えていますが、在庫削減に対応した減産規模を教えてください。

下期の販売に向けた季節性もあり2Q末での棚卸資産が増加しましたが、売上減への対応および在庫削減のため、3Qも2Q同様、楽器全体で前年比10%を超える減産になります。ピアノに限ると更に減産幅は大きいですが、管楽器など好調な製品もあります。4Qは対前年で増産基調となりますが、生産高は3Qと4Qでほぼ同水準です。


Q3:生産拠点別の状況はいかがでしょうか。

まだ注残が残っているピアノ、管楽器、業務用音響機器は多くが日本製で、日本の工場はほぼフル稼働の状況です。一方、中国はかなり厳しい生産計画を立てています。


Q4:今期の中国の楽器売上は、前年比で前回は+12%、今回は▲16%になっていますが、この間の変化について教えてください。

1Qはディーラーも市況回復を期待した仕入れが多くあり、我々も本格的な市況回復を期待していました。しかし、その後も市況低調が続いていて回復の兆しが見えないことから今期中の回復は難しいと考え、今回はかなり踏み込んで計画を見直しました。


Q5:欧米に関して、販売店の在庫状況と、年末需要期の見通しを教えてください。

2Qは欧米ともに前年を上回り、足元の景況感も順調に回復してきています。デジタルピアノの在庫も順次消化が進み、また新商品が投入され3Qは拡売を期待しています。


Q6:ギターは、通期で前年比117%の売上見込ですが、コルドバを除くと前年比は何%くらいでしょうか。また地域別に違いがあれば教えてください。

コルドバを除くギターの通期売上は、前年比106%を想定しています。上期は市中在庫が多かったため実力を発揮できていませんが、中国以外の市況は回復してきています。


Q7:中国は構造的な問題もありそうですが、 あらためて今後の見方を教えてください。

中国市場の回復には一定の時間を要し、来期にも影響があると想定して計画を組み直しています。教育政策の変更や少子化などを踏まえ、教育需要は従来よりも厳しい見方をする必要があります。これまでのようなピアノに偏った成長を前提とせず、伸長著しいデジタルピアノ、ギターや管楽器での成長を図ります。エンターテインメント系に注力することも考えています。また、それに伴い生産戦略も見直します。今までは中国でのピアノの増加を見越して中国の生産比率を上げ、設備投資も継続してきましたが、円安の要素も勘案して国内工場に力を入れる等、見直しをかけていきます。ただし、一気にすべてを変えるのではなく、工場への負荷をかけず徐々にリソースをシフトし、中国以外での成長にもう少し軸足を移すなどの検討を進めています。


Q8:下期の修正後の事業利益見通しは267億円ですが、楽器、音響でそれぞれどう達成していくのか教えてください。

楽器は今期増収の前提で計画をスタートさせた直後に減産をかけたため、上期は費用の削減が追い着きませんでしたが、下期は調整が進み工場の粗利も回復します。利益率が高いデジタルピアノでは新商品投入が進み、中国以外は景況感も回復していることから達成可能とみています。音響機器は、個人向けの需要がクリスマス商戦に偏っていて、もともと下期の利益が大きく、加えて利益率の高い法人向けは新商品が好調で収益改善を想定しています。


Q9:在庫が増えていますが、為替影響を除くと実質的に何が増えているのか定量的に教えてください。

期末予想の1,420億円は、コロナ前と比較して為替の影響で270億円ほど膨らんでいます。これを除くと約100億円程度が過剰で、おおよそ半分が製品、半分が部品です。製品は中国のピアノが中心で、部品は電子部品が中心です。


Q10:部品・装置、その他の事業で、2Qに一時的に特殊な処理があったため、事業利益に影響したとのことですが、内容を具体的に教えてください。

海外取引先との間で、かなり円高のときに設定した為替レートで取引を続けていました。長引く円安を背景に取引先から条件の見直し依頼があり、交渉の結果、今後の関係維持・強化を念頭に、今年1月に遡って価格改定することで合意しました。