Yamaha Design “Synapses” CS-800/CS-500

2022 / VIDEO COLLABORATION SYSTEMS

GOOD DESIGN AWARD


クリエイティブな遠隔会議を可能にするコラボレーションシステム。

カンケツ簡潔 / Minimal

高性能なカメラの印象を放ちつつも、無駄のない洗練されたデザインによって会議への集中を妨げない。明確なデザインポリシーをキャップやリモコン、UIなど周辺機器にも貫きました。

チョウワ調和 / Harmony

CS-800は機器の堅苦しい印象を抑えるために、使用者から見える面をひとつながりのファブリックで包みました。その質感と面が筐体に潜り込む稜線処理によって、柔らかい印象を感じさせます。空間に馴染み、良質な声を届けます。

シアゲ仕上げ / Well-Made

CS-500も大きなカメラレンズや複数のマイクを搭載していますが、使用者はその存在を気にせず会議に集中できます。モニターの縁と一体化するデザインです。

アタラシイ新しい / Revolutionary

カメラ・マイク・スピーカーをそれぞれの使用空間に合わせて最適にパッケージングしました。遠隔会議に必要な要素を突き詰めたデザインはどちらも機能的かつ個性的です。

ツカイゴコチ使い心地 / Intuitive

CS-800のスタンドは角度調整と配線カバーの役割を兼ね備え、CS-500はプロダクトの一部が本体をモニターに固定する脚として機能します。 360°どこから見ても一体感のあるデザインです。


Ryo Suzuki
Ryo Suzuki
Designer
Yamaha Design Laboratory

Toshihide Suzuki
Toshihide Suzuki
Designer
Yamaha Design Laboratory

感性を刺激する黒子。

ハドルルーム用のCS-800とハドルスペース用のCS-500は、モニターに接続してオンライン会議にクリアな音声と映像を提供するシステムです。カメラとマイクを連動させて話者を特定し、違和感のない快適な会議をサポートする史上初の製品(CS-800はスピーカー搭載)です。クリエイティブな会議をサポートする視点から機器の適切な存在感を探り、控えめでありながらも感性を刺激するデザインとしました。

CS-800はカメラ、マイク、スピーカーを内蔵し筐体が大きいので、空間に馴染み、使用者に良質な声が届く印象を与える面構成としました。また、CS-500はテレビの上に置くようにセッティングするため、できるだけ本体が画面に重ならないよう注意しました。カメラと複数のマイクを最適な位置に配置し、4隅を切り落としつつ前面への飛び出しも減らしています。

両製品ともに、レンズキャップには工夫を凝らしました。レンズの周囲がファブリックに覆われているCS-800は、キャップを引っかけて固定することができないため、マグネット内蔵のエラストマー製キャップを作成しました。カメラミュート時にはレンズを覆うように貼り付け、外した時はスタンドなどに付けておきます。一方でCS-500は本体に取り付けたまま開閉できるレンズキャップとしました。モニター上部でもキャップの操作を容易にできるように、開けるときも閉めるときも手掛かりとなるような小さいレバーと回転機構を工夫して造形しています。初めてカメラを有する機器をデザインするということで、新しい構造や見せ方の試行錯誤を重ねこれらの形へと辿り着きました。

またUXの観点でも特徴があります。会議で最も使用頻度が高い操作がマイクミュートであることから、片面に大きなマイクミュートボタンのみを配置、反対面に設定ボタンをまとめて配置した大胆な構成のリモコンをデザインしました。UIはプロダクトと同じ世界観で構成され、遠隔会議の邪魔にならない位置に表示されます。メニューを選択する時にその先で設定する内容が直感的に分かるよう、透過するレイヤー表現を採用。複雑なリモコン操作を避けるため、可能な限り上下左右の操作のみで完結するよう工夫しました。使用者が会議室に入ると自動で画面が立ち上がり、接続や操作をわかりやすくナビゲートするなど、自然なUX動線にもこだわっています。

CSシリーズは遠隔会議の際、常に目に入る機器です。存在としては黒子ですが、参加者の感性を刺激し、無意識的にクリエイティビティを発揮させるような佇まいを目指しました。UIや周辺機器を含め、遠隔会議がクリエイティブになったと感じていただけたらデザインの狙いが達成できたと言えると思います。

  • 補足の写真1
  • 補足の写真2
  • 補足の写真3
  • 補足の写真4